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電車のブレーキ9 列車編成方式とブレーキ

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電車のブレーキ9 列車編成方式とブレーキ

今回は鉄道車両の列車編成方式とブレーキの関係です。
列車は読んで字のごとく、数両から10数両の車両から編成されています。その編成方式 はM車(動力車=牽引車)、T車(客車=非牽引車)の組み合わせにより大雑把に電車方式 と機関車方式に分類できます。

電車方式は、大部分がM車で編成された動力分散型方式です。クルマで言えば全輪駆動車です。 新幹線、台湾新幹線などがこれにあたります。近郊電車はM車とT車の割合はほぼ半々なので 電車方式と機関車方式の中間くらいでしょうか。
一方、機関車方式は、数両のM車でT車を牽引する動力集中型方式です。蒸気機関車を電気機関車 に置き換えたといえばおわかりいただけると思います。歴史も古く世界的にみても、なお主流と いってよいでしょう。
高速鉄道ではフランスTGV、ドイツICE、韓国新幹線、中・低速鉄道では貨物列車などがこれにあたります。

電車方式として日本の新幹線、機関車方式としてフランスのTGVを例にとり、 編成方式による違いをみてみましょう(下の表参照)。

先ずは、1列車当たりの駆動力です。この駆動力は車輪とレール間の摩擦力から得ています。
式で表すと、
1列車で得られる最大駆動力=「車輪とレール間摩擦係数」x「M車重量」x「M車両数」
となります。 250km/h超の高速走行、スムーズな加速を行うには十分な駆動力が必要ですが、 「車輪とレール間摩擦係数」は0.2~0.3と非常に小さいため、(自動車の場合は乾燥路では約0.9)、 「M車重量」x「M車両数」を大きくするしかありません。

電車方式では、M車の両数が多いため1車両当たりの重量は軽く(約45トン、T車もほぼ同じ)しかも 列車全体での駆動力は大きくなっています。一方、機関車方式ではM車は通常2両ですので、 M車重量を増やして対応せざるを得ないわけですが、種々の制約から約70トンとなっており、 その結果列車全体の駆動力は小さくなっています。


電車方式(新幹線)と機関車方式の主な違い

つづく。

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