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雑学講座96 パッド摩擦性能試験と摩擦係数 その2

次は、水濡れ性能試験です。
水濡れ性能試験は、雨降り時あるいは冠水時をシミュレートした試験です。ローター・ パッド間の水膜、パッド湿潤の影響を調べています。ブレーキに水を掛けた後、低速 からブレーキを10回ほどかけます。摩擦係数は最初の数回は低下しますが、水が飛散し、 温度も上がってくると元通りになってきます。
なお、ドラムブレーキはドラム内部に一旦、水が入ってしまうとなかなか元に戻りません。 水濡れ性能が良いのはディスクブレーキの特徴の一つです。穴あきホイールは、水が浸入しやすいので 水濡れ時には注意しましょう。

(参考1)2輪車は、水濡れの影響が大きいため、水濡れに強い焼結パッドを使用しています。
(参考2)新幹線は、降雨時、レールと車輪間に水が侵入し滑りやすくなります。
そのため、特に滑りやすい先頭車両では車輪がロックしないようにブレーキ力を小さく設定しています。

以上で、パッド開発の基本となる「JASOパッド摩擦性能試験」についてお話しました。 この試験だけで開発完了となればいいのですが、実際の使用条件を考えると更に 厳しい条件の試験が必要となってきます。その一部をご紹介しましょう。


まずは、「温度別摩擦性能試験」です。この試験は、制動前の温度を数10、100、200、300℃・・ としているのがJASOの摩擦性能試験との違いです。
平均摩擦係数の温度依存性(初期温度による摩擦係数の変化。図2参照)を調べるのが目的です。
一般的に平均摩擦係数は、高温になるほど低くなってきます。高温になるほど材料強度が落ち、 劣化が促進するためです。
スポーツパッド(パッドB,C,D)は純正パッド(パッドA)に比べて耐熱性のある材料を使用し、 高温でも平均摩擦係数が下がらないようにしています。
基材として金属繊維(鉄)を使っているパッドD(他社スポーツパッド)は平均摩擦 係数が温度によって大きく変化しています(温度依存性が大きいといいます)。 同じスポーツパッドでも金属繊維を使用していないパッドB(SEI SPORTS PAD SS)は 低温から高温まで比較的安定しており、いつも安心してブレーキングできるパッドといえるでしょう。

なお、スポーツパッドに表示している「最高使用温度」は、通常はローターの温度 (パッド温度はこれより50〜100℃低い)を示し、連続負荷時間も数分程度が限界です。 最高使用温度での長時間使用はフェード、パッドの白色化・破損あるいは裏板・ライニング間 の剥離につながりますので十分注意してください。
(注記)実際の使用に際して、メーカーの取扱説明書をよく読んでください。

                          (続く)


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