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マスターシリンダー

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マスターシリンダー


ブレーキの英文サイトを日本語翻訳エンジンで訳してみると何と「奴隷シリンダー」という 言葉が出てきます。一体なんだろうと思って、英語本文を見ると「slave cylinder」 と表現されています。たしかに液圧発生源であるマスター(主)シリンダー に対し、実際のパッドで鋏むブレーキの作動部分は、スレイブ(従)の関係になります。

前置が長くなりましたが、今回はマスターシリンダーの話です。前回、 倍力装置でパワーアップされた踏力は、このマスターシリンダーで 液圧に変換され、パイプ、ホースを伝わって、ブレーキに伝達されます。
この原理ですが、実は中学の理科でならったパスカルの法則 がそのままが利用されています。
すなわち、 「密閉した液体や気体の一部に圧力を加えると、その圧力が液体や 気体のいたるところに同じ大きさで伝わる」というものです。 この法則のありがたいところは、複雑な形状の場所や遠くに瞬時に力を 伝える場面で活躍出来ることです。
通常、ブレーキは、フェールセーフを考えて、2つの系統から 出来ています(雑学講座26)。



さて、実際のマスターシリンダーは各々の系統に対応出来るよう2つの部屋 から出来ています。 作動原理は、注射器と同じように、ピストンで 押出して液圧を発生させています。ブレーキペダルを離すと、内部に 組込んでいるスプリングでもとの位置に戻されて液圧が解除されます。 図からもおわかりのようにゴム・カップはピストン・ロッドが左に 動くと、ゴム・カップのリップ(唇)部がシリンダ内壁向きに張って, 液圧を発生させます。しかもブレーキをかけるたびに10~20mm動きます。 つまり非常に過酷な働きをしているわけです。これが傷つくとブレーキが 効かなくなる訳です。したがって車検毎にゴム部分を交換するのも当然ですね。 勿論、ブレーキフルード、ゴムブーツ類も同時に交換しましょう。

え! マスターシリンダーの場所だって。それは、ブレーキ液のリザーバー タンクはご存じだと思いますが、その下にくっついていますヨ。
(前号の43号のイラスト見てください)

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