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雑学講座79 自動車のリサイクルと環境負荷物質


先月は、「自動車リサイクル法」が施行されましたね。 今回のテーマは、自動車(廃車)のリサイクルと環境負荷物質(環境汚染あるいは人体に 悪影響のある物質)についてです。
日本では、年間約500万台が登録抹消され、その内100万台は輸出、残り400万台が国内で 処分されています。国内処分では、部品としてリサイクルされるもの(電装品など)が全体の約25%、 素材としてリサイクル・リユースされるもの(アルミ、鉄、タイヤなど)が約55%で、残りの約20%、 100万トンはシュレッダダストとして埋立てされています。
ところが、その埋立地もだんだん不足してきており、その汚染も問題となってきています。 そこで、リサイクル・リユース率の向上、シュレッダダストの低減、環境負荷物質のシュレッダ ダストへの混入防止などを目的として、自動車リサイクル法が欧州のELV(下記参照)も参考 にして2002年に成立し、この1月施行されました。

その主旨は、フロン、エアバッグ、シュレッダダストの引き取り(廃棄処分)を自動車メーカに 求めることができるということです。それに要する費用は、ユーザが新車購入時あるいは車検 時に負担することになっています。
また、自動車リサイクル法では、欧州のELVでは使用が規制されている環境負荷物質 (鉛、水銀、カドミウム、6価クロム)の規制はありませんが、自動車工業会がその削減・廃止 に向けて自主的な取り組みを行っています。例えば、鉛については、技術的に代換が難しい バッテリーなどを除いて2006年以降は使用量を1996年の1/10以下にするとの目標を 立てて、取組んでいます。


さてブレーキはどうなっているのでしょうか。
まずは、リサイクル・リユースです。ドラムブレーキの使用済シューアッセンブリはシュー (裏板)とライニング(摩擦材)を剥がして、新品ライニングをシューに接着して、リユースしています。
ところが、ディスクブレーキの使用済パッドは、リユースしていません。パッドは高温で使われる ため裏板の劣化が激しく、再利用できないためです。なお、環境汚染防止のため摩擦材の 業界団体では、使用済パッドは裏板と摩擦材を剥がして別々に処理することとし、具体的な 方策を検討しています。(裏板は、スチールなので再利用されます。)


ブレーキパッドは、裏板とライニングを分離して処理

次は、自動車工業会の自主規制対象である環境負荷物質です。当然ながら、当社をはじめ 部品メーカ各社はその削減・廃止に向け真剣に取り組んでいます。

例えば、当社は環境負荷低減運動の一環として、以下のように取組んでいます。
・水銀、カドミウムは、過去からブレーキには使用していないので問題ありません。
・鉛はパッドの潤滑材として有用ですが、現在は代換品に切り替え、使用していません。
・6価クロムは防食コーティングとしてボルトなどいろいろな部品に使われています。
 使用量は、非常に微量ですが、近々代換品へ切り替える予定です。

なお、自動車リサイクル法とは関係ありませんが、健康に悪影響を及ぼすといわれた アスベストは、乗用車用では1993年より、トラック用では1995年より使用を 自主規制(禁止)しています。
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(参考)ELVとは?
End-of-Life Vehicleの略称で、日本語にすると「使用済自動車に関する指令」です。 欧州では環境問題に対する意識が高く、世界に先駆けて1996年よりELVの検討が始まりました。 その後紆余曲折がありましたが、2003年7月に発効となりました。その主旨は以下のように なっており、日本をはじめ世界各国に影響を及ぼしました。
・リサイクル促進のため触媒、ガラス、銅・アルミ・マグネ部品、バンパ・ダッシュボード、 タイヤなどを解体前に取外す。
・リサイクル率を85%以上とする。将来は95%以上を目標とする。
・環境負荷物質(鉛、水銀、カドミウム、6価クロム)を原則使用禁止とする。
・環境汚染防止のためバッテリー、エアバッグ、燃料・冷却液・オイル・ブレーキ液など を解体前に取外す。
・ バッテリー用鉛、ディスチャージランプ用水銀など、技術的に代換品がないものは例外扱い とするが、これらを使用している部品への環境負荷物質であるとの表示、車からの取外しを 義務付け。
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今後、我々人間が生きて行く上で省資源、環境保全はますます重要になってきます。 日頃なかなか日の当たらない分野ですが、決しておろそかにすることなく、地道に 取り組みたいものです。



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