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雑学講座80 パッドの摩耗調整と摩耗警報


今回はパッドの摩耗調整と摩耗警報についてのお話です。 パッドは使っている間に徐々に摩耗していきます。この間パッドとローターの隙間 を一定に保つのが摩耗調整です。一方、パッドの摩耗限界(交換時期)を運転者 に知らせるのが摩耗警報です。

先ずは摩耗調整です。ディスクブレーキが登場する以前は、ドラムブレーキが主役 でした。その当時は、ライニング(摩擦材)が摩耗すると、運転手はドラムの調整穴 からドライバーを突っ込んで隙間を調整していました。大変な作業でした。
ところが、自動摩耗調整機能のあるディスクブレーキが普及するに従って、これが 「デファクトスタンダード」となり、今では法律に「・・隙間は自動的に調整できること」 と規定されるまでになりました。
自動車用ディスクブレーキでは、パッドとローターの隙間は通常0.1mm以下になるように 調整されています。隙間が小さ過ぎるとローターと常に接触するため、作動不良、 パッド・ローターの早期摩耗の原因となります。また大き過ぎるとペダルストロークが 伸びノーブレーキにつながります。

自動摩耗調整としては、ピストンシールのゴム弾性を利用するものと、バネ力を利用 するもの(機械式)があります。前者は非常に簡単な構造(図参照)でコンパクトなため 多くのディスクブレーキに用いられています。しかしながらピストンシールが劣化すると ゴム弾性がなくなり調整機能が失われてきますので、定期点検、定期交換が必要 不可欠となってきます。




一方、後者の機械式の特徴は、作動安定性と隙間を大きく設定できることです。 クルマでは、ローターの振れは0.1mm以下ですので、隙間も小さくてすみますが、 鉄道、産業機械ではローターが数mmも振れますので、その分隙間を大きくするため 機械式が使われています。なお、ドラムブレーキではラチェット機構の機械式が 使われています。


次は、摩耗警報です。パッドの摩耗限界を直接的に検知するものとしては、PWI (Pad Wear Indicator)があります。通常は、1ブレーキに1個のPWIが取り付けられています。 パッドが摩耗限界厚になると、レバー状の金具がローター表面に当たり、チーチーと 音を出す「可聴式」、パッド内部に組み入れられた電線が摺り切れて運転席の警報灯 が点灯する「電気式」があります(詳細は、MAINTENANCEコーナー参照)。
前者は安価ですが、音が聞こえない、鳴きと間違える、ローターを傷つける等の問題があります。 後者は高級車に多く使われています。

警報の精度は落ちますが、マスターシリンダーのブレーキ液面低下、ブレーキ鳴き、 ホイールの摩耗粉による汚れでも摩耗限界は間接的に検知できます。例えば、ブレーキ 液面が「LOW」レベルまで低下したら、摩耗限界が近いことがわかります。また、パッドが 摩耗限界厚近くになるとキーキーと鳴き易くなります。
パッドは摩耗するに従って、性能、鳴きなどが徐々に劣化していきます。摩耗限界を 超えて使用すると、効き不良、摩擦材と裏板の剥離などが生じ、危険状態になってきます。 さらに、摩擦材が完全に摩耗してしまうと、パッド裏板(鉄)とローター(鉄)が接触するため、 極端な効き不良、効きのアンバランス、ローターの損傷、ブレーキ液漏れなどが生じ、 非常に危険な状態となってしまいます。 パッド摩耗警報が出たら、できる限り早くパッドを交換するようにしましょう。 安全第一 です。             



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