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雑学講座86 ペダルストローク その1


クルマの点検項目の一つにペダルストローク(PS)があります。これはPSの変化、異常からブレーキシステム あるいはブレーキ部品の変化、異常がわかることを意味しています。またSEMINAR54「ブレーキフィーリング」 ではPSと効きの関係についてお話しました。今回は若干専門的になりますが、そのPSとブレーキ部品の関係 についてお話しましょう。

まず、下のブレーキ液圧回路の図を見てください。ブレーキペダルを踏み込みますと(この踏み込み量をPSといいます) マスタシリンダ内のブレーキ液はホース、パイプを通ってブレーキに送り出されます。ブレーキ内のピストン はパッドをロータに押し付けブレーキ力を発生します。このように多くのブレーキ部品がPSに関与している ことがおわかりいただけると思います。


次に、マスタシリンダ液圧とPSの関係を見ましょう。図2のようにマスタシリンダ液圧が高くなるに従って 、PSは長くなってきます。これを更に詳しく見ますと、マスタシリンダ液圧とは無関係な部分(IS)とマスタ シリンダ液圧に比例した部分(RS)の2つの要素からできています。これを式で表すと下記のようになります。
PS=IS+RS


一般的には、ISが短くてしかもRSが短いほど(図2のA)ブレーキフィーリングがよいと感じます。 ただし、極端に短すぎるとセンシティブになりすぎコントロール性に欠けてきます。逆に極端に長くなると ブレーキを目一杯踏んでもペダルが床に当たってしまい、それ以上マスタシリンダ液圧が上がらず (図2のB)効き不足に陥ることもあります。部品の劣化、調整不良はもとよりブレーキ液漏れ、 エアー噛み、ハード走行などが原因となります。なお、走行中にPSが急に伸びた場合はペダルを ダブって踏むとISが少なくなり、ブレーキ力を若干ですが確保できます。

では、ブレーキ部品とPSの関係について見て行きましょう。
先ずは、IS(アイドルストローク)です。ISはマスタシリンダ液圧に無関係で通常は30mm位です。
式で表すと
IS=K*アイドル液量
k=ペダル比/マスタシリンダ面積 のようになります。
このアイドル液量は、ブレーキ部品間の隙間、遊びからできておりゼロにすることは不可能ですが、 できる限り少なくなるようにしています。これらの隙間、遊びは部品の劣化、調整不良あるいはハード走行により 増えていきます。
では、どの部品が原因となりやすいのでしょうか。
先ずは、パッドとロータの隙間です。通常はキャリパのゴムシールの自動調整機能により 0.1mm以下に保たれていますが、急旋回、極悪路走行などを繰り返し行うと、ロータによってピストン、 パッドが叩かれ(ノックバックといいます)隙間は増えていきます。ゴムシールが劣化すると、ピストン 保持力が小さくなり、加速されます。また、パッドの偏摩耗(不均一摩耗)、ロータの振れ大も同じように 隙間が増える原因となります。
次は、ブレーキペダルの遊びです。ペダルとマスタシリンダ接続部の摩耗、調整不良などにより遊びが 増えていきます。
また部品自体あるいは部品相互の接続部からのブレーキ液漏れ、ブレーキライン内へのエアー噛み、 ドラムブレーキのライニング厚さ自動調整装置の作動不良なども原因となります。
                     つづく。

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