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台上(ベンチ)試験

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台上(ベンチ)試験

今回は、ブレーキの試験についてのお話しです。
試験は、大きく別けて台上(ベンチ)試験と実車試験とからなっています。 台上試験は、ブレーキを室内の固定装置に取り付けて行います。 一方実車試験は、ブレーキを実際のクルマに取り付けて行います。
試験の順番は、「先ず台上試験、それに合格したら実車試験」が一般的です。パッド開発では 実車試験まで進めるのは、全体の10%以下と非常に狭き門となっています。またキャリパ、 ABSでも台上試験で問題があると何回も手直しが必要です。台上試験は大学入試でいえば 共通1次にあたります。

では、どうして台上試験が必要なのでしょうか。実車試験と比較してみましょう。
先ずは、メリットです。車重、車速、減速度、パッド温度などの試験条件を一定にしやすので 正確な試験結果が得られます。実際よりも厳しい条件の試験も可能ですので限界も把握できます。 コンピュータ制御の台上試験機は昼夜を通して試験できますので、耐久試験、性能試験などが 実車試験の数分の一以下の期間でできます。 また万が一試験品に欠陥があっても人身事故には繋がりません。

次は、デメリットです。ブレーキフィーリング、操舵性など人の感性がもの をいう試験にはまだまだ向いていません。また、試験条件が実際の使用条件を適切にシミュレート してない場合は、試験そのものの有効性に疑問符がつきます。適切なシミュレーションを行う には高い技術力、鋭い洞察力、豊富な経験などが求められますが「言うは易く、行うは難い」 永遠の課題です。

では、パッドを例にとり、その試験の一端を紹介しましょう。
先ずは、破壊強度、圧縮歪、PH、気孔率などの基本物性を台上試験で調べます。設計通りにできて いるかどうかの確認です。なおこれらの基本物性は量産品の品質管理にも使っています。

次は、ダイナモ試験(台上試験の一種)です。試験機(写真)は回転慣性体、ブレーキ、ローター などからできています。車重、車速、減速度、パッド温度等をいろいろと変更して、摩擦/、 摩耗性能、フェード性能などを調べます。坂道を降りる時の効き、摩耗、フェード、ブレーキ液温 を調べる降坂シミュレーション試験もあります。また、鳴き試験は、実際のクルマを回転ドラムに 乗せたシャーシーダイナモ試験機で行います。これらのダイナモ試験はまさにパッド開発の 重要な武器といってよいでしょう。


ダイナモ試験でいつも悩むのが試験条件です。
例えば、試験条件Aでは非常に高い評価のパッドも、 試験条件では評価が低いことがよくあります。原因は、車重、車速、減速度、パッド温度の 組み合わせによってパッド性能が大幅に違ってくるからです。さらに試験の順番によっても 大幅に違ってきます(つまり過去の履歴によって現在の性能が違ってきます)。
しかしながらそんなことでパッド開発が出来ないと弱音を吐くことは出来ません。
そこで、標準試験と追加試験の2種類の試験を組み合わせて評価するようにしました。 前者の標準試験は、車種区分が同じなら同じ試験条件としました。パッドの素性 (例:重/軽負荷用の区分)、競合パッドとの比較などが容易に出来ますので 大まかな開発方向を見るのに適しています。後者の追加試験は国内純正向、欧州向、 米国向、サーキット用など対象によってさまざまです。例えば、サーキット用は高速、 高減速度、高温、短インターバルをシミュレートした試験条件とし、評価も厳し目に しています。また、同時に競合パッドも同一条件で試験し比較も行っています。


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