ブレーキは熱にとっても敏感。熱によってブレーキの効きは全く別ものになってしまう。ブレーキを手なづけるためには熱によってどう変わるか、どこまでの能力があるか、を見極めることが肝心。
では、その正体は!?
一時間目
次の用語の意味は?
- フェード
- ストリートや峠でのハードな走行で、ブレーキングを続けるとパッドの温度がどんどん
上がり、限界を超えると効きが急激に悪くなることをいう。
- ベーパーロック
- ブレーキペダルを踏んでもキャリパーにチカラが伝わらず、 ブレーキが効かなくなることをいう。
二時間目
では、フェード・ベーパーロックはなぜ発生するのだろうか?
- フェード
- パッドはレジンという樹脂で固められている。ところが、300度を超えてくると、この
レジンが分解して徐々にガスが発生してくる。分解時に生じるガスは元の原料に対しての体
積変化が大きく、逃げ場がないためにパッドを押し返す力となる。この反力のために効き
が悪化するのです。
- ベーパーロック
- パッドの熱はブレーキフルードにも伝わる。250度オーバーだとフルードが沸騰して気
泡が発生する。つまり、ブレーキペダルを踏んでも気泡が小さくなるだけでキャリパーに
チカラが伝わらなくなるため生じる。
三時間目
すると、対策がはっきりしてくる。
- フェード
- まずは、高温耐久型でフェードの起きにくい、つまりガスの出にくいパッドを選ぶこと。
但し、一般的に高温耐久型は低温では効きにくいため、街中を普通に走るには
適さない。つまり、走りのスタイルにあわせることが肝心。
その他には、パッドの温度が上がりにくくすることを考える。 例えばエアダクトの装着。それと意外に知られていないのは、摩耗したパッドは
容積が小さいため温度上昇が早いこと。ちなみに、パッドのスリット溝。 これはガスを逃す役目をしている。
- ベーパーロックは時間切れのため次回に。
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