ブレーキ雑学講座
パッドの熱き戦い その2
皆さん今日は。 めっきり秋めいてきましたね。秋はドライブも楽しくなります。
さて、今回も「熱」に関したお話しです。
●一時間目●
前回お約束した「ベーパーロック」について
ベーパーロック対策はなんといってもブレーキフルードのメンテです。 しかし、この項はパッドなので、
それは課外でお話ししましょう。
では、パッドではどんな対応があるのでしょうか?通常だとベーパーロックの前にフェード
してしまうと思いますが、例えばパッドが極端に摩耗し
ていれば、ブレーキング時の熱がパッドで受け止められずに、ストレートにキャリパーの
ピストンからブレーキフルードに伝わります。
こうなるとブレーキフルードの温度はどんどん高くなり、ベーパー
ロックが起きやすくなります。「まだ2ミリ残っているからいいや」なんて言ってませんか?
●二時間目●
ところで、パッドの熱対策はどのようになっているのでしょうか?
これは、材質によって違いがあります。材質の話しは次回に予定していますが、
今回は、断熱材のお話しをしておきましょう。
ノンアス材では、(材質の種類によりますが)パッドの摩擦材と裏板の間に
断熱材を入れ、ブレーキングで
受けた熱をキャリパー側に伝わりにくくしています。
この断熱材は厚さが2~3ミリです。摩擦係数は摩擦材とほぼ同等なので
ブレーキが効かなくなることはありませんが、摩耗が比較的早いので気を
つけて下さい。
しかし、残念ながら、パッドを見ても断熱材が入っているかどうか殆ど判りません。
●課外編●
【ブレーキフルードについて】
ブレーキフルードは水を吸い込む特質をもっています。そして、水を吸うと
沸騰する温度が下がるため、ベーパーロックが起きやすくなります。この沸騰する
温度ですが、新品の時をドライ沸点、水分を3%ほど吸い込んだ時(交換して約1年後)
をウェット沸点と呼びます。
特にウェット沸点が大切です。それと最近はABSが装着され、
精密になってきていますから、こまめに交換されるとよいでしょう。
ブレーキフルードについての、詳細は、雑学講座23を参照下さい