ブレーキ雑学講座
ディスクローター その3
今回は、最近のローターの開発動向についてお話します。
先ずは鳴き対策ローターです。
その2でもお話したようにローターの材質は、普通鋳鉄が主流ですが、一部のカーメーカーは鳴き対策用
普通鋳鉄を採用しております。これは普通鋳鉄よりカーボン含有量を増やして減衰能を
高めたものです。つまりローターが振動して音が出ても早く音が消えるようにしたものです。
カーボンを増やすことにより強度が落ちたり摩擦性能が違ったりしますので他の金属成分を
入れて調整しています。
またナックル、ブレーキ等と共振しないようにロータの通風孔の形状等を工夫して固有周波数
を変えているものもあります。
次はアルミロータです。主な目的は軽量化による乗り心地、燃費等の改善です。ナックル、
ホイール等では既にアルミは実用化されていますが、ローターではほんの一部を除いては実用化
されていません。アルミは柔らかく、しかも200℃以上になると強度も落ちてしまうためです。
これらの欠点を克服するためアルミにセラミックスの粉を数十%混ぜたものが開発されています。
また表面にコーティングしたものもあるようです。しかしながら通常の普通鋳鉄に比べて耐熱性も
まだ劣りますし、価格も高いため実用化には時間がかかりそうです。
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