ブレーキ雑学講座
スポーツパッドの組合せと用途
ブレーキ力配分について、アドヴィックススポーツパッドとの関係でもう少し具体的な説明が欲しいとの声を頂きましたので、今回簡単に説明いたします。
パッド選定は、大きく分けて使用温度とブレーキの前後バランスを考える必要があります。
まずは、乗り方によってパッド材質を考えます。街乗りが、メインならば、パッドの適用温度は低温から500℃までのSSです。サーキットなどで使用する場合は高温でも効きの安定したCSです。
次は、ブレーキの前後バランスです。通常
、純正品のパッドは前後ともほぼ同じ摩擦係数のものを使用しています。このような場合は前後とも同じ銘柄に変えた方が、前後バランスが純正品と同じのためリアロック先行とかの問題が少なくなり、安心です。
CS、SS、ノーマルタイプの摩擦係数を比較すると、おおよそ以下の通りです。
摩擦係数と適用温度
タイプ | パッド使用温度 | ||
~300℃ | ~500℃ | 500℃超 | |
街乗り | ミニサーキット、峠 | サーキット | |
CS | やや高め | やや高め | やや高め |
SS | 高め | 高め | X(使用不可) |
ノーマル | 基準 | X(使用不可) | X(使用不可) |
パッドの組合せパターン例
パッドの組合せで使用方法は、概略下記のようになります(あくまでも目安です。クルマ、走行パターンなどによって違うこともあります。)。
フロント | リヤ | 説明 |
CS | CS | 街乗りからサーキットまで問題なく使用できます。主にサーキット走行向きです。 |
CS | SS | リアが、ロック気味ですが(ABS付ならば操縦安定性、車両安定性などは問題なし)ほとんど問題なく使用できます。街乗りからミニサーキット、サーキット(FF車/後輪の負荷が小さく500℃以下の場合)向きです。 |
CS | ノーマル | 街乗りに使えますが、フロントCSはチョットもったいない感じです。 |
SS | CS | 街乗りからミニサーキットまで問題なく使えます。但し、通常フロントのほうがパッド温度が高くなるので、リアCSはもったいない感じです。後輪の温度が高くなるクルマには有効です。 |
SS | SS | 街乗りからミニサーキットまで問題なく使用できます。 | SS | ノーマル | 街乗りからミニサーキット(FF車/後輪の負荷が小さく300℃以下の場合)まで使えます。 |