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ブレーキフィーリング

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ブレーキフィーリング


53話で、ブレーキフィーリングについてふれましたが、今回はその続編です。 このタッチは人によって違いますので、 一概に言えませんが、出来る限り、定量的にお話ししましょう。

先ずは減速度、ペダルストロークとブレーキフィーリングの関係です(図1参照)。
減速度β(厳密な意味での効き)は式で示しますと、
β=k*パッド摩擦係数(kは定数)となります。

つまり摩擦係数の高いスポーツパッドの方が大きな減速度が得られます
(βで比較すると②=④>①=③)。 つまり、摩擦係数が高ければ高いほどよく効くことになります。式のどこにもホースに関係するものは 出てきませんね。

そうです、減速度(厳密な意味での効き)は、ホースの良し悪しとは関係ありません。ところがメッシュ ホースにすると効きがよくなると言われる方が大勢おられます。これはメッシュホースの方がノーマルホース に比べ、同じ減速度を得るときのペダルストロークが短いため、よく効くように感じるだけなのです (勿論、メッシュホースはペダルの剛性感、耐飛石、見栄えなどの特徴はあります)。
つまりフィーリング的によく効くかどうかは、減速度のみならずペダルストロークも若干影響 しているということです。図1の例からは、フィーリング的に効く順番は、④>②>③>①で しょうか(もちろん、パッド材質、ホースの種類によっては、順番が違ってくることもあります)。 なおペダルストロークは、ブレーキタイプ(HP雑学講座「2つのキャリパー」参照)によっても ホース以上に違ってきます。

次に、高速から一定の踏力で制動したときの摩擦係数の変化とフィーリングの関係を見ましょう。
Aは、摩擦係数がほぼ安定しています。つまりドライバーが自分の思いとおりの減速度に「コントロールしやすい」フィーリングのパッドと言えます。「アドヴィックス SPORTS PAD」はこの代表例です。

Bは、踏み始め(パッド温度が低い)は摩擦係数が低く、終わりになるに従って(パッド温度が高い)高くなるパッドです。昔のドラムブレーキのフィーリングに似ています。一般的に温度依存性のあるメタリック系パッドによくある特徴です。いわゆる「奥効き」で、コントロール性はあまり良くありませんが、「よく効く」フィーリングのパッドでしょう。

Cは、踏み始めは効きますが、後になるほど効かなくなる「怖ーい」フィーリングとなります。一般的には高温からの制動で見られる現象で、一種のフェード現象を起こしているようです。



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