ブレーキ雑学講座
ブレーキの点検は義務?
日本では自家用乗用車は、新車購入後、3年後、5年後、7年後・・と車検を受けなければ
なりません。これはみんなが安全にクルマを運転するための制度です。インフルエンザ
の予防注射みたいなものですね。海外ではこの制度のない国が多いようです。
昔に比べて、クルマの性能・耐久性は格段によくなっていますが、やはり日常及び定期的
な点検、整備が必要不可欠です。
では、どのような部位・装置が点検・整備を必要としているのでしょうか。それを裏付けるデータの1つとして、
数年前に行われた車検時の調査(車検時にどのような部位・装置が整備を必要とされているか)
があります。なかなか興味深い結果ですのでその一部をご紹介しましょう。
ガソリン車(除くディーゼル車、軽)で整備を必要とする装置のワースト3はブレーキ、エン
ジン及び舵取り装置です(更に動力伝達装置、電気装置がこれに続いています)。
これを経過年別に見ると(図参照)9年目までは長くなるほど整備の必要な割合が増えています。
理解できますね。ところが11年目以降は減っています。大切に使っている方が多いためで
すかね?
さて、栄えある?ワースト1のブレーキ装置では、どんな項目の点検が必要なのでしょうか?
車種、経過年によって違いますが、一般的にはブレーキパッド摩耗、ブレーキ・シュー摩耗、
ホイールシリンダ機能・漏れ、マスタシリンダ機能・漏れ、キャリパ機能・漏れが多いよう
です。ちなみに、ブレーキ装置ではブレーキ・ペダルの遊び・隙間、駐車ブレーキの引き代など
通常車検時に点検する項目も調査対象になっています。
上記項目は、一般の方では日常的に直接点検するのはなかなか難しいですね(但し、マスタ
シリンダのブレーキ液面点検等の日常点検はブレーキ装置が異常かどうか(但しどの装置
かまではわかりません)判断できますので必ず実施してください)。
そこでブレーキの安全を保つため、最低限車検時にはブレーキの点検・整備を必ず行って
ください。特に、ブレーキパッドの摩耗はブレーキ装置の中でもワースト3に入っていますので、
必ず点検をしてください。
パッド厚さがまだあるからといっても、次の車検まで持たない場合もあります。早めの交換をお
勧めします(交換時期についてはHP「MAINTENANCE」を参考にしてください)。また,
キャリパ、
ホイールシリンダ、マスタシリンダの漏れ防止、機能保持には、ゴム部品の定期交換(5年毎)
、オーバーホールなどを必ず行ってください。ブレーキを安全に保つことは、国民の義務といって
よいでしょう。