ブレーキ雑学講座
自動車用ブレーキの分類その1
ブレーキの分類といっても、見方によっていろいろあります。
例えば、
・使い方では、常用/補助/非常/駐車等、
・エネルギー源では、人力/真空倍力/空気倍力/油圧倍力/電気等、
・伝達媒体では、機械式/ブレーキ液/空気/電気等、
・運動エネルギー変換方法では、熱変換/電気変換等、
・取付け位置では、フロント/リア等、
・ブレーキ機構では、ディスク/ドラム
などに分類されます。覚えるだけで大変です。
本講座では、エネルギー源、伝達媒体および運動エネルギー変換方式の3つの見方で、
ブレーキを分類し、その特徴をお話ししましょう。
今回は、エネルギ源です。
1960年代は、クルマを止めるのは、ブレーキペダルを踏む人力がたよりでした
(初期のスカGTRも、ブレーキブースターはありませんでした)。
非力な女性では、ブレーキもたいへんでした。(ましてやハンドリングは、
もっとたいへんでしたね)もっとも、当時は、女性ドライバーは珍しかったので、あまり
問題になってません。
モータリゼーションの普及した1970年頃より、
安全性、操作性などの観点から人力を補助するさまざまなエネルギ源が使われるようになってきました。
乗用車では一般的にはエンジンの真空を使った真空倍力装置が、大型乗用車・RV、直噴エンジン車
の一部では油圧倍力装置(真空倍力より増圧比大、寸法小、ABS装置と共用も可能)が使われています。また大型
トラックでは圧縮空気による空気倍力も使われています。最近では電気でモータを動かしパッドを
押す電動基礎ブレーキも欧州の高速列車では使われています。
下の図は、実際に人力が各装置でどれくらいパワーを拡大されているかを示したものです。
テコの原理だけでは、おそらく自転車を止めるくらいの力しか発揮できないでしょう。