ブレーキ雑学講座
ハイブリッド自動車とブレーキ
最近ハイブリッド自動車という名前をよく聞くようになりました。辞書にはハイブリッド=
雑種とありますが、自動車では動力源が2種類以上あるものをいうようです。
例えば、ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせですね。
トヨタのプリウス、エスティマ、ホンダのインサイト、シビックなどが実用化され、保有台数も
2002年末現在で、約9万台と急速に伸びてきています。
一方、排ガスのない電気自動車は、その普及が待たれますが、車両価格が高い,航続距離
が短い,充電に時間がかかるなどの解決すべき課題がまだまだ多く、保有台数も約6千台
に留まっています。
従って、環境負荷の少ない自動車として、ここ当分(10~20年間)はハイブリッド自動車が
大きな役目を果たすと考えられます。
では、ハイブリッド自動車のブレーキはどのようになっているのでしょうか。一般的
には、油圧ブレーキと電気(モーター)ブレーキの組み合わせです。これをブレンデ
ィングブレーキといいます。
ドライバーがブレーキをかけると、油圧ブレーキと電気ブレーキが同時にかかります。
コンピュ-タはブレーキ踏み込み速度などから必要なブレーキ力を計算し、これを
電気ブレーキと油圧ブレーキが最適の組み合わせになるように配合(ブレンディング)します
(図参照)。
電気ブレーキで得られた運動エネルギーは電気として回収(回生)し、バッテリーに蓄電します。
うまく制御すれば、運動エネルギーの20~30%が回生できるそうです。この分、ガソリン使用量が
減り、燃費改善につながりますね。
油圧ブレーキは、従来と同様に運動エネルギーを熱に換える方式です。ただし、車の
運動エネルギーの一部を電気ブレーキで負担してもらっているため、パッドの寿命
が延びるかもしれませんね。勿論、電気ブレーキが故障した場合は100%油圧
ブレーキで負担しますのでご安心ください。
また、最近ではせっかく電気を使うのだからと油圧ブレーキの代わりに電気で作動
する電動ブレーキの研究が行われています。いずれ、電気自動車に電動ブレーキ
の組み合わせになるかもしれませんね。