ブレーキ雑学講座
タフなブレーキ その2
次は「ハードな使い方でも安定して効くための方法」です。
ご存知のように、ブレーキはクルマの運動エネルギーを熱エネルギーに換えています。
この運動エネルギーは、車重に比例、速度の2乗に比例します。ブレーキがハードな
使い方でも安定して効くには、この熱エネルギーを旨く処理してブレーキ各部の温度を
出来る限り下げるようにすることが、フェード、ベーパーロックなどを防止し、パッドの
寿命を長持ちさせることになります。勿論ローターも同様です。
一番簡単な方法は、スポーツパッドへの交換です。スポーツパッドはノーマルパッドより
耐熱性がアップしています。より高温でも安定しているわけです。
これだけですめば問題ないわけですがよりハードな使い方をする場合はブレーキ
システム部品をタフなもののしておく必要があります。
先ずは、大きな穴のついたホイールへの交換です。これは空気によってローターが冷え
やすくなっているためです。アルミホイールへの交換もローターの熱がアルミを通して
逃げるため効果があります。
次は、ローターの形状変更です。通風孔の形状・数は冷却性能に影響します。
但し、ローターの強度にも影響しますのでむやみに変更しないほうが良いでしょう。
また表面にスリット・ドリル穴をあけたものがあります。冷却を良くするとかパッドの
粉を取りやすくするとかの効果はありますがデメリットもありますので注意して
ください(FAQ参照)。
なお、レース車ではわざわざローター冷却ダクトを設け大量に空気を取り入れて
ローター,ブレーキを冷却しています。
ローター径、厚さを大きくするとローターの熱容量がアップし、ローター温度が
低く抑えられ非常に大きな効果が得られます。
上述のように、どのような使い方(街乗り,坂道、サーキット、ラリーなど)をするか
によってブレーキシステムのどの部品をチューンアップすればよいのかが大幅
に違ってきます(勿論懐との相談もありますが)。できる限り専門家に相談
されるのが良いでしょう。なおブレーキ部品の交換にあたっては法規を守る
とともに、出来る限り専門家にお願いするようにしましょう。また「タフ」にした
からといって決して過信しないように安全運転を心がけましょう。
アルミホイールの効果は見栄えだけではありません。