ブレーキ雑学講座
雑学番外地 雑誌評価その1
アドヴィックススポーツパッドの雑誌評価記事をそのまま 織込むことにいたしました。(本件は、98年5月に既掲載済みですが、ご了承下さい。) その1:エボリューション 98年2月号 硬質感のあるペダルタッチ。減速Gを素早く収束し、瞬時に”効き”を立ち上げる。 過激なサーキット走りにはやや不適か。 ただしABSとのマッチング◎ アドヴィックスのFORSPORTSは、街中からワインディングのスポーツドライブあたりを想定したブレーキだ。ブレーキを軽く踏んだときの効き味がよく、スッと減速Gが立ち上がる印象がある。 しかも、その後踏力に対して過大な効きはみせず、踏力に応じたμ変化をみせるので、走りだしたときはちょっと初期の効きが早いのではと思った。だが、サーキットでも意外に使いやすかった。 使いやすいと感じたのは、おそらくペダルの踏力を上げたときの反応がシャープだからではないかと思う。 ほかのブレーキパッドと同じように、ストレートエンドでブレーキをドンと踏むと、一瞬ABSが効き出すところまで減速Gが立ち上がる。 が、そのとき少しブレーキを踏み込む力を弱め、再びペダルを踏む力を強くしていくと、減速Gがスッと弱まり、すぐさまググッと効きが立ち上がる。そのレスポンスが、じつに素早いのだ。そして結局適正なブレーキコントロールを行いながら1コーナーまでの車速を落とし、進入して行くことができるのだ。 そのためか、わざとABSを効かせたフルブレーキングを行ったときの感触もよかった。ABSは周知のようにABSユニットが、ブレーキロックを感知すると油圧を弱め、タイヤが回転し出すと、また油圧を高めてブレーキを効かせる。そういう操作を1秒間に10回近く行う。そのときブレーキの(効き出しの)レスポンスのよさが、ABSとの良好なマッチングをみせるのだ。 アドヴィックスは、ブレーキパッドばかりでなくキャリパーや、ABSユニットも作っており、そうしたノウハウがブレーキパッドに反映されているのかもしれない。 ペダルタッチも硬質感があって、感触のいいものだった。ただし、仙台ハイランドを全開で攻めると。3週目の1コーナーでブレーキパッドがローターを攻撃しわずかだが、ローターを傷つけてしまった。これは、明らかにパッドの適正温度を超えてしまったからで、現状ではサーキットでの過激な走り方までは耐えられないということがいえる。 しかしμの高そうなパッドなので、もう少し効きを落とせば、ローターに対する攻撃性を抑えることができるはず。ワインディングからサーキット走行まで耐えるような、このブレーキより1ランク高いブレーキパッドを作ることも、それほどムズカシクないハズだ。 |
・レポート/斉藤 聡 ・車両 /ラ・アンスポーツ製作 ・写真提供/(株)交通タイムス社 |