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ブレーキの点検

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ブレーキの点検


ある調査によると、運転中にトラブルにあった人は約4割にのぼるそうです。 多い順に、
・バッテリ上がり(14.9%)・ランプ類故障(9.9%)・タイヤのパンク(9.1%)、 ・燃料切れ(3.2%)ブレーキ不良(2.6%)だそうです。
一方、雑学講座56でもお話しましたように、車検時に整備が必要な装置の一番手はブレーキでしたね。 つまり、ブレーキは定期的な整備に加えて、日常的な点検も必要不可欠というわけです。

今回は、その点検方法についてお話ししましょう。
先ずは、日常点検の頻度ですが、目安は、ひと月、または、3000km毎の点検を推奨します。
次は、点検項目ですが、ブレーキ以外の項目も含めて下記15項目が推奨されています。

日常点検項目(点検整備推進協議会)
1.エンジン・ルームをのぞいて、
①ブレーキ液の量 ②ウインド・ウオッシャの量
③バッテリ液の量 ④冷却水の量 ⑤エンジンオイルの量

2.車の周りを回って、
⑥タイヤの空気圧 ⑦タイヤの亀裂・損傷・異常摩耗 ⑧タイヤの溝深さ
⑨ランプ類の汚れ・損傷、点灯・点滅作動状況

3.運転席に座って、(その後)低速で発進させて
⑩ブレーキペダルの踏み代と低速からのブレーキの効き(鳴き) ⑪パーキング・レバの引き代
⑫ウインド・ウオッシャの出具合  ⑬ワイパのふき取り状況 ⑭エンジンの掛かり具合と異音
⑮低速でのエンジン運転状況と車の加速状態

では、ブレーキに関する項目①、⑩および⑪について詳細を説明しましょう。
なお、他の項目の点検方法は →自動車総合安全情報を参照して下さい。

まずは、ブレーキ液の量の点検です。エンジンルームをのぞいて、マスタシリンダのリザーバタンクを観察します。 ブレーキ液レベルが「MINI」を示している時はブレーキ液の漏れ、パッド・ライニングのフル摩耗など が考えられます。
なお「MINI」になったからといって、原因も調べず、そのままブレーキ液を注ぎ足すことは絶対に やめてください。パッドを交換し、キャリパのピストンを元に戻した時、ブレーキ液がタンクから あふれる原因になります。


次は、ブレーキ・ペダルの踏み代と低速からのブレーキの効き(鳴き)の点検のです。 エンジンをかけ、そのままブレーキ・ペダルを数回踏みこんでみましょう。通常と比べて床板とペダル の隙間が短いとか踏みこたえが柔らかい場合は、ブレーキ液の漏れとかエアー噛みが予想されます
(なお最近のブレーキ装置は自動間隙調整機能があるため、パッド・ライニングが摩耗しても、 床板とペダルの隙間はほとんど変わりません)。 異常がなければ、低速で軽くブレーキをかけ効き具合(鳴き)を確認しましょう。効きが甘い時、鳴きが 多発する時は、ブレーキ作動不良、パッド劣化、ブレーキ液漏れ等の原因が考えられますので点検を行いましょう。


(参考)踏み代はロータの振れ、パッド・ライニング偏摩耗等によってもかなり違ってきます。 但し、この変化はユックリおきるため、間隔の短い日常点検ではなかなか気が付かないのが普通です。


最後は、パーキング・レバーの引き代の点検です。車をとめ、エンジンを切って、パーキング・レバーを 力一杯引いて(あるいはパーキング・ペダルを踏んで)みましょう。通常と比べて、ストロークが長い (短い)とか、引きこたえ(踏みこたえ)が柔らかい(硬い)場合は、ケーブルの作動不良・劣化とか パッド・ライニングの偏摩耗などが予想されます。
このパーキング・ブレーキは駐車機能のみならず、常用ブレーキ(フット・ブレーキ)が破損した場合の 非常ブレーキの役目も果たしていますので(最後の命綱です)点検は十分に行ってください
(パーキング・ブレーキの構造については雑学講座46を参照)。


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