ブレーキ雑学講座
ふたつのキャリパーその2
パッドの要求特性について
堅い表現のタイトルになりましたが、今回はよく性能比較で用いられる
レーダーチャートについて見てみましょう。
パッドは20数種類の原材料を混合して焼き固めて作るモノですが、 残念ながら全ての要求特性を同時に満足させることは困難です。 それぞれの使用用途に合わせた材料配分をしている訳ですが、 「こちらを立てれば、あちらが立たず」というTRADE-OFFの関係 になる場合が多いので、要は、何を狙うのかがポイントになります。 まずは、そのグラフを見てみましょう。 (このグラフは、一般的な傾向を表したもので、実際の製品とは異なり ますので了承下さい。ちなみに各項目とも満点が10点です。) それぞれの項目が「要求特性」になっています。 ストリート用では、特に常温での摩擦係数やホイール汚れ、鳴きが重要視されるポイントです。 サーキット用では常温~高温C迄の効きの安定性と耐フェード性が最重要課題です。 ここではパッド摩耗とかロータ攻撃性とかは言ってみれば二の次ですネ。 (メーカーがこれを言っちゃお終いかな??) また一日に数百キロも走るタクシー用では、経済性が重要です。とびきり 長持ちすることが重要なのです。このためセミメタリックタイプが多い のですが、ホイールが汚れやすいのが欠点です。しかし大丈夫。タクシ の場合毎日よく掃除をしてきれいにしていますね。(たまに掃除嫌いの 人がいたら大変ですけど。) 次は、一般用。これは何でもそこそここなす優等生タイプが好まれます。 悪く言えば、可もなく不可もなく、目立たないのが宜しい。 「ところで、コントロール性とは何のことか?」と思われる方がいるでしょう これは、読んで字の如く、温度や速度にそれほど影響されず、効きが安定している ことです。例えば、冬の寒い朝でも、夏の暑い盛りでもブレーキの踏み心地が 変わらないことみたいなもの。奴に頼めば安心みたいな感じですか? 最後は、グラフにはありませんが、価格。 これは、みなさんの想像するとおり、サーキット>ストリート>一般用(≒タクシー?) の順です。 うーん、でもこれは点数評価出来ませんネ。 |