ブレーキ雑学講座
タイヤ空気圧監視装置
今回はタイヤ空気圧監視装置についてのお話です。
最近のタイヤはラジアル化、各種材料の進歩により、昔ほどパンクしなくなりました。
しかしながらパンクは相変わらずJAFサービスの上位を占めています。
パンクすると重大事故につながりますし、幸いにも事故にならなくても、その後の
タイヤ交換作業は大変です。パンクはできる限りなくしたいものですが、その防止
には日常点検がかかせません。
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空気圧は適正ですか?
点検整備推進協議会によると、タイヤの日常点検項目は「空気圧」、「亀裂・損傷・異常摩耗」
および「溝深さ」となっています。「亀裂・損傷・異常摩耗」、「溝深さ」は誰でも
・簡単に・日常的に点検できますが、「空気圧」はなかなかそうもいかず、簡単・正確な
点検方法が求められていました。
一方、数年前に起きたFORDトラックの転覆事故原因の一つが、タイヤの空気圧低下であることから、
アメリカではタイヤ空気圧監視装置の義務づけが始まろうとしています。
これらの理由から、日本でもタイヤ空気圧監視装置が高級車、RVを皮切りに徐々
に装着されてきています。
この装置には、直接的に監視するものと間接的に監視するものがあります。
前者は、タイヤに取り付けられた空気圧計で空気圧を監視するものです。
空気圧は無線でコンピュータに伝えられ、異常があると警報ランプが点灯します。
精度は良いのですが、コストが高いのが難点です。
後者には、ABSの車輪速センサーを使ったDWS(Deflation Warning System。図参照)
があります。
空気圧が低下したタイヤは、その外径が小さくなるため、他の正常空気圧のタイヤと車輪速度
が違ってくることを利用しています。大人と並ぶため子供が早足で歩いているようなものです。
この車輪速度差をコンピュータで計算して、異常かどうかを監視しています。
精度は低いのですが、ソフトを追加するだけで済みますので、コストが安くてすむのが特徴です。
なお熟練したドライバーは乗り心地、車体振動・ハンドル取られなどから空気圧低下を感じ
取っています。一種の間接式監視装置ですね。
最近は、パンクしても数100kmは、そのまま走れるランフラットタイヤが一部のクルマに装着されて
いますが、あくまでも万が一の保険と考えた方が無難です。安全の基本は、あくまでもタイヤの
日常点検です。その中でもタイヤ空気圧は点検し難いにも関わらず、非常に重要な役目を果たし
ています。空気圧低下は車両挙動不安定、制動性能不良、車両転覆、燃費低下、タイヤ寿命低下、
パンクなどの原因となりますので、くれぐれもご注意を。
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間接式空気圧検知のシステム