ブレーキ雑学講座
運転者と運転支援システム・装置 その2
次は、「操作」です。
運転者は判断後、ハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作を行います。支援システムは
これらの操作をより楽に、より簡単に、より正確に行えるようにするものです。
例えば、ブレーキアシストは力の弱い人の操作を楽にしますし、ABSはブレーキの加減圧を自動的に制御
します。また。上記のように、
運転者にこれ以上任せて置けないと判断した時は自動的に操作してくれる支援システムもあります。
ただし、両者の関係はやはり運転者によって好き嫌いが出そうです。
上記では運転者とシステムの関係を「認知」、「判断」、「操作」の3動作に分けて説明しましたが、実際の支援
システムでは各動作が複雑に絡み合っており、しかも運転手と支援システムの関係もシステムによって
さまざまです。
例えば、負荷低減支援システムとしては自動的に前車を追従する
ACC(Auto Cruise Control)、
車線逸脱防止装置などが実用化されています。通常時は自動運転により
運転者の負荷を低減し、運転者が緊急と判断した場合は手動に切り替わるシステムです。
通常時は認知、判断、操作をほぼ自動的に行っています。
ロボットの教習員が横に座っているような感覚???
事故回避支援システムとしては、前方障害物衝突防止支援システム
、車両安定性制御システム
(雑学講座56参照)、居眠り警報装置などが開発、実用化されています。通常時は認知、判断を、
非常時は認知、判断、操作をほぼ自動的に行っています。
なお、事故回避支援システムは安全に直結しますのでより迅速、正確な判断が必要となります。
また、事故発生後の被害軽減機能を含んでいますので、
事故回避と被害軽減がうまくバランスしたハード、ソフトも必要になってきます。
このように、運転者と運転支援システムの関係はなかなか一筋縄には行きそうにもありません。
今後、個々の運転者の好みにあわせることのできる学習機能付支援システム
が出てくると両者の関係はもっと良くなるかもしれません。
両者の関係は、技術の進歩以外にも社会状況、人の意識などがさまざまな要因がかみ合いながら変化して
行くのではないでしょうか。
つづく