ブレーキ液の点検と交換
1. ブレーキフルードの役目
マスターシリンダーで発生した圧力をパイプ、ホースを通じて素早く、効率よくブレーキに伝えるのがブレーキフルードの役目です。
2. ブレーキフルード劣化のメカニズム
熱の影響
ブレーキフルードの温度は、街乗りでは50℃以下ですが、極寒地では-40℃、降坂走行ではパッドとの接触部近辺は120℃を超える高温になることもあります。
ブレーキフルードは高温に長期間さらされますと劣化します。
また、ブレーキフルードと接しているキャリパー、ピストン、パイプなどの金属部品を腐食させ、カップ、シール、ホースなどのゴム部品を膨潤させます。これらは表面荒れ、カップ、シールの破損へとつながり、ついには液漏れ、ブレーキ効き不良の原因となります。
水の影響
水がブレーキフルードへ混入すると沸点低下、防錆力低下、ゴム部品膨潤などブレーキフルード、ブレーキ部品の劣化を引き起こします。
なお侵入した水はブレーキフルードに溶け込んだ状態となります。
ブレーキ部品による劣化
ブレーキは年間数万回も繰り返し作動しますので、金属部品、ゴムなどの摩耗、破損が生じます。これらのブレーキ部品の破片がブレーキフルードに混ざると、液漏れ、ブレーキ効き不良の遠因となります。
3. 点検と交換のポイント
街乗りが主なクルマ
ひと月毎あるいは3000km毎の日常点検および1年毎(最長車検毎)の定期点検を行いましょう。
マスターシリンダーのリザーバーを覗いてブレーキ液面レベル、ブレーキフルードの汚れを点検します。
液面レベルが「MINI」以下の時はブレーキフルードの漏れ、パッド摩耗などの点検を行ってからブレーキフルードの交換をしてください。くれぐれも点検もしないでブレーキフルードの注ぎ足しだけはやらないようにしてください。
ブレーキフルードの変色、異物混入の場合は、カップ、シールなどが破損している可能性がありますので、ブレーキ点検、オーバーホール、シール交換を行ってからブレーキフルードの交換をしてください。
なお、2年毎(初回3年)の車検時には、キャリパーのオーバーホール、シールの同時交換をすることで、より安全性が高まります。
降坂走行、海岸地域走行が主なクルマ
街乗りより高温、多湿な環境ですので、ブレーキフルードの劣化は早まります。日常点検は街乗りと同じで結構ですが、定期点検、定期交換は1年毎に必ず行うほうがよいでしょう。
オーバーホール、シールの同時交換を推奨します。
サーキット走行の場合
サーキット走行するとブレーキフルードはかなり高温になりますので、熱劣化は促進されます。従って、早め早めの点検、交換が必要になってきます。
液面レベル、汚れ、沸点(水分量と密接に関係)などの点検をマメに行ってください。交換タイミングは走行条件によって大幅に異なりますので、点検結果を見ながら皆さん自体で決めるのがベストでしょう。
点検、不具合対処、交換を行う際は、注意事項を守って作業をしてください。
なお、専門の業者に頼らずに、ご自身で実際の作業を行われる場合は、ご自身が責任を負うことになります。
ご注意ください。
注意事項を守らないと、ブレーキの制動不能を生じ、お客様の死亡や大けがなどの人身事故が生じます。
注意事項を守らないと、ブレーキの制動不能や低下を生じ、お客様の死亡や大けがなどの人身事故の原因につながります。
注意事項を守らないと、お客様がケガをされたり、物品に損害を与える原因となります。