「鳴き」対策の実際例
鳴きの発生要因はいろいろありますが、鳴き発生時の状況別にまとめると、下の表のようになります。
大切なのは、どんな状況のときに発生しているかを掴むことと、パッドやローター、ブレーキの現物確認を十分に行うことです。原因がひとつだけのケースは比較的少なく、複数の原因がからんでいることが多いので、ひとつひとつ、つぶしていくことになります。ローターのペーパーがけや鳴き止めグリース塗布のみで鳴きが止ることも多いので、一度トライされてはいかがでしょうか。
鳴き発生時の状況 |
鳴きの原因 |
主な対策 |
狙い |
---|---|---|---|
新車時または パッド交換直後 |
パッドとローターのなじみが悪い |
・ローター研磨、ペーパーがけ ・慣らし運転(100km程度走行) ・パッド両端面の面取り ・正規に組付ける |
パッドとローターのあたりつけ (ローターとの共振防止) |
パッド、部品等が正しく入っていない |
|||
走行距離が長くなったとき
または
山下り等の厳しい走りをした後 |
パッド劣化 (摩擦係数の変化) |
以下に該当する場合は、パッドを交換 ・使用限度以下または ・表面の劣化したもの ・片減り(厚みの差が2mm以上) 表面が軽く劣化しているものはペーパーがけ |
― |
ブレーキ部品の劣化 |
・グリース塗布 ・鳴き止めシムの交換 ・シール類交換 ・ブレーキのオーバーホール |
円滑なブレーキ作動 |
|
ローターとパッドの当りが不均一 |
・ローター、パッド表面へのぺーパーがけ |
錆、固着粉を除去 |
|
摩耗粉がローターやブレーキ部品等に固着 |
・パッドへの溝追加 |
摩耗粉を溜めない |
|
水に濡れたとき |
摩擦面に水が浸透 (摩擦係数変化) |
・パッドへの溝追加 |
水ハケを改善 |